ザ・カウントダウン 地球大戦争

19世紀末を舞台にH・G・ウェルズの原作に忠実に作られた「宇宙戦争」と思ったら、見終わってみるとスピルバーグ版「宇宙戦争」の舞台を19世紀に移して劣化させたような、そんな印象が残った不思議映画。
というか映像とかはすごい作りこんでてむしろ凝りすぎとすら言えるし、開始から30分くらいまではけっこう面白いのだが、残り100分以上の大半は主人公のリック・ルードみたいなヒゲの中年男性が野山をかけめぐったり川を泳いだり、上半身裸で野山をかけめぐったりする映像で占められている。まるで主人公のリック・ルードみたいなヒゲの中年男性のプロモーション・ビデオのような映画。いや、そんなバカな映画がこの世にあるわけないと思うだろうなみんな。見ないとこの異常性は伝わらないだろうな。
特撮は一歩間違ったらキングスパイダー対メカデストラクターになりかねない技術レベルというか場面によって出来不出来の差が大きいが、リアリティより雰囲気重視で作っている感があり悪くはない。ただCGによるトライポッドと戦艦の戦闘シーンはちょっと、テクスチャくらい貼ったらどうかと言いたくなる。
見ないとこの映画の不思議加減は伝わらないと思うが135分の長尺でリック・ルードみたいなヒゲの中年男性が野山をかけめぐったり苦悩したり泣いて笑ってケンカしたりする映像を延々と見せられる苦しみを思うと見ろとも言えない。映像の作りようはある意味シン・シティとかヴィドックと同系統の映画とも言える。ヒゲの中年男性のプロモーション部分を除けばそんなに悪くはないのだが。
爆笑度 ☆☆
バイオレンス度 ☆☆☆
発狂度 ☆☆☆☆
怪奇度 ☆☆
男泣き度 ☆☆