毎日が殺人未遂

クリスヒーローがデリリアスの予定でしたがそれら以上にここで名前の登場頻度が高い男のことを忘れていました。アメリカのインディーで人気のある選手は主に二つのタイプに別れる気がすることに最近気付いた。一つは自分の体のことを考えずに試合をするタイプ。もう一つは相手の体のことを考えずに試合をするタイプ。両者は結果として両立する場合が多いが、基本的にはこのどちらかに別れると思う。前者の代表がネクロブッチャーなら、後者の代表はスーパードラゴンだ。まずはこの画像を見ていただきたい。この画像が全てを語っている。

画像は海外のサイトからパクってきた。いつか試合中に本当に人を殺しかねない男ナンバー1、それがスーパードラゴンだ。彼はどうも新日ジュニアのファンらしく、獣神サンダーライガー似のかっこいいのかかっこわるいのか判断が微妙な(それは全身コスチュームのプロレスラー全般に言えることだが)コスチュームなどにもそれは現れているが、むしろ問題はそのファイトスタイルだ。とにかくスーパードラゴンという男の技は、全てが危険極まりない。アルゼンチンの体勢から相手を脳天から落とす必殺技・サイコドライバーを初め、リバースインディアンデスロックから相手の両腕をサーフボードに極め、余った足で後頭部を勢いよく踏み付ける技(以前書いたように「ランブルローズXX」でスーパースター紅影などが使用している。ゲーム中の技名は「踏み付けロメロスペシャル」)、極めつけは相手の頭めがけてコーナー最上段からダブルフットスタンプ!いくらプロレスといえどもやっていいことと悪いことがある!立てた椅子に相手(エル・ジェネリコ)の頭をはめこんで、それめがけてダイビングフットスタンプをくり出した時はおれですら恐ろしさのあまり思わず目を背けたくなったほどだ。しかもその時、試合はすでに決着がついているのに(笑)。彼と対戦した相手は、ダメージのあまり立ち上がれないという光景も多く目にする。
そんな彼だから誰とやってもいい試合をするというわけにはいかないようだ。ライバルはエル・ジェネリコやケビン・スティーンやBボーイ。いずれもスーパードラゴンと似たタイプではあるが毎試合の殺人未遂度ではスーパードラゴンがやはり群を抜いている。ごく最近まで知らなかったというか気付かなかったが、スーパードラゴンは実は全日本プロレスに来日経験があって、そういえば昔全日にハヤブサみたいな変なマスクマンが来ていた時があった。あれがスーパードラゴンだったのか。実際に見たことはないが。来日当時の評価はというとしょっぱいとかそんなのばかりだが調べてみると勝率は意外と高かったようだ。
日本では口で「殺す」と言う人は多いが実際に試合中に人を殺しかねないことをする人はそういない。突き詰めていけば人を殺す危険のないプロレス技などは存在しないがそれはまた別の問題とする。それに比べて、毎試合のように不言実行で人を殺しかねない技を連発するスーパードラゴンのファイトスタイルはアメリカで絶大な支持を受けている。ROHに登場した時も、敵方であるスーパードラゴンへのコールのほうが多かったほどだ。昔ザンディグが、「デスマッチで実際に死んだ人間はいない。相手を脳天から落とすような技のほうがよほど危険じゃないのか」と言っていたが、相手を脳天から落とすようなよほど危険な技の象徴のような男であるスーパードラゴンが今CZWの代表のようになっているのはなんとも因果な話だ。しかも厳密にはCZWの所属選手ですらないし(笑)。
そんな危険極まりないスーパードラゴンのファイトには、なんともいえない不思議な魅力がある。なんか一つの信念のようなものが感じられる。一度見ると癖になる、人間の闘争本能に訴えるような男、それがスーパードラゴンだ。でも本当に試合で人を殺すようなことにはくれぐれもならないでほしい。多分、死ぬのエル・ジェネリコだし。
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