ビクターと俺

先日深海タンとスティーブの報告によりビクター・キニョネスの訃報を知ったわけですが、プロレス雑誌にも載ってましたね。ビクター・キニョネスの功績については今さら語るまでもないですが、彼なしではあのW☆INGの隆盛がありえなかったであろうことを考えると、ある意味では彼なしでは現在の日米インディープロレスは存在しなかったかもしれないといえます。個人的に言うとそれすなわちおれをプロレス魔境に引きずり込んだ張本人であると。
なんかプロレス関係者に顔を覚えられたのも彼が最初だった気がします。多分、奴はおれの顔を覚えていた。ある時、彼がおれのほうを見ながら手招きして何か大声でわめいていたような気がしたことがあるが、怖いので気付かないふりをして通り過ぎた。おれに何か用があったのだとすれば悪いことをしたと今でも気になっている。おれはなぜかよく外人には好かれてやたら黒人の洋服屋の客引きに声をかけられたり、イラン人に煙草をねだられたり、横浜文体にFMWを見にいった帰りに通りすがりの黒人がECWマガジンをくれたりしたので、ビクターも無意味にいつも見かけるおれのことが気に入ってなにかをくれようとしていたのかもしれない。そんな彼の気持ちを無にしたのだとしたら悪かった。
さようならビクター。やすらかに眠ってほしいと思います。