悪霊のいけにえ

wifebeater2006-03-02

人柱の館へようこそ。または人身御供の沼。人柱の館とは、誰もがレンタル屋で見かけて「これはなんとなく気になるが、どう考えてもつまらなそうだ。しかし万が一面白いかもしれないし気になる…」という作品を代わりに見てそれが本当は面白いのかどうか、クズだとしてどの程度クズであるのか判断して差し上げる場所である。
それでこの作品というか、作品と呼ぶことすらためらわれるこの失業中の若者がヒマな時に誰かの家に集まって、「ヒマだなあ。映画でも撮るか」とホームビデオを持ち出して誰かの家と近所の公園で撮影したような代物は、過去に「悪魔のえじき ブルータル・デビル・プロジェクト」「ゾンビ・オブ・ザ・デッドシリーズ」「キングスパイダーシリーズ」など幾多の映画的に明らかに間違っている作品を見続けてきた私ですら絶句させるような作品でした。つまらなさやひどさが限界を超えて一周して逆に面白く感じるようなものを求めている方にはうってつけの作品かと思われます。さらに一周してつまらなくなるかもしれませんが。
正直言って文章でこの映画?の異常性・クソ加減を伝えきるのは不可能に近いですが私が受けた衝撃が少しでもこれを読んだ皆様に通じれば幸いです。まず開始直後にあらわれる、「FUZZY DEBIL VIDEO」という制作プロダクションのロゴと思われる画像の真っ赤なまぬけづらの悪魔の顔に軽く度胆を抜かれますがそれは序章にしかすぎないです。いきなり女の人がバンダナとアイパッチをしたバカに追いかけられて殺されて内臓を引きずり出されるところからこの映画?は始まります。アイパッチのバカが内臓を手にとって眺める場面が何度も何度も何度もくりかえされて突然ロックンロールと共にオープニングクレジットが流れ見ているほうは「ハァ?」とあっけにとられます。
クリスマスが舞台ですが登場人物はほぼ全員半袖のTシャツを着用しています。アメリカの映画のようですがアメリカにはクリスマスシーズンに半袖Tシャツ着用で過ごせる場所があるのでしょうか?カリフォルニアとかメキシコとの国境近辺ではそういうこともありえるかもしれません。でもそんなことはこの映画全体から言ったらささいなことだからいいです。ストーリーは簡単に言うと数人のバカが海賊の格好をしたバカ(トミー)に殺される話です。なんか行方不明になった昔のクラスメイト(作中のセリフから中学校時代と想定される)がクラスメイトを殺しまくっているので、生き残りが集まってなんとか身を守ろうとか計画するらしいんですが、この人たちはメンバーの一人のデブの手をライターの火であぶって火傷させたりして遊んでいるだけで何がしたいのかよくわかりません。というか遊びたいだけなんでしょうけど。それで殺人鬼がうろついているらしいというのに一人また一人と勝手に家から出ていって殺されます。メンバーが三人になった段階で、一人が「みんな帰ってこないから探してくる」と言って出ていくのに対して残りの二人(メンバーの中でも特に失業者っぽい雰囲気の二人・一人はトミー・ドリーマー似)は「トミーに殺されるぞ」と誰に言うともなくつぶやくだけで止めようとも一緒に行こうともせず酒を飲んでいるだけです。その後二人は「絞って食うアイスってあるよな。あれは最後に残った汁を飲むとノドがヒリヒリするだろ?なんでだ?」とか「なあ、聞くけど魚は肉か?」「魚は魚だろ」など妙に味のある会話を延々と続けた後(その間に探しに行った人は殺されてますが)いいかげん心配になって、裏の墓場の霊にウィジャ盤でトミーの居場所を聞くという理解不能な手段を思い立って裏の墓場に行って殺されます。その後なんかちょっと色々あって映画は終わり。エンディングは二部構成で最初にスタッフロールが流れて、それからNG集(!)があってキャストロールが流れるという意味不明な作り。こんなものにNG集がいるのか。存在自体がNGだろ。
あと変なところは多々ありますがとても書ききれるものではないです。とてもとても書ききれるものではないです。めんどくさいし。だからここはメンバーの一人であるトミー・ドリーマー似の無職男性が着ていたTシャツが「POISON」のものであったことが気になってしょうがなかったことを書くのに留めておきます。最終的にそのTシャツはでっかい穴をあけられて台無しになりますので、穴を開けられてもいいTシャツを箪笥の中から引っぱりだしてきたのではないかと思われます。あとNG集でこの映画の出演者はノーギャラらしいことが判明。まあノーギャラなら許してもいい気もするがこれ金払って見せられるこっちの身にもなってみろ。
これは明らかに史上最悪の部類に入る一本です。うちらとかはある程度わかって見ているからまだいいのですが、知らないで見たら本気で怒る人もいるかもしれないからレンタルショップの方は扱いに気をつけましょう。ギャー!
爆笑度     測定不能
バイオレンス度 測定不能
発狂度     ☆☆☆☆☆
怪奇度     ☆☆☆☆☆
男泣き度    なし
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