スケルトンマン 史上最悪の死神

スケルトンマン 史上最悪の死神 [DVD]
このところ鮫人間とかアイパッチをしたバカとか、ハーレーに乗ったじじいとかろくな目にあっていない私ですが、ようやくまともな作品にめぐりあえました。これは相当いいですね!スケルトンマン初登場のシーンが、なんか考古学者が「頭蓋骨を発掘したけど呪いが心配だ」とか電話で話してたら突然天井をブチ破ってスケルトンマンが落ちてくるという唖然とするような代物だったので少し不安になりましたが、演出もシャープで切れがよくスケルトンマンがひたすら人を殺しまくるというシンプルな展開で安心して見れます。
ケルトンマンはとにかく強くてカッコいい、最近のホラーにはむしろ珍しいタイプです。斧や剣や槍やハンマーや弓矢で人を殺しまくります。弓矢でヘリコプターまで撃ち落とします。人を殴ると、殴られた人は風に舞う木の葉のように舞い踊りながら吹き飛びます。屋外では馬に乗ってテレポートしながら移動します。最終的にこいつの正体は一体なんだったのかよくわかりませんが(暗示される程度に終わっていてその正体について作中で明かされることはありません)そんなことはどうでもいい、むしろスケルトンマンのミステリアスなかっこよさを強調する効果が感じられるほどです。何の突っ込みも受け付けない、笑いの要素を排除した完全無欠のホラーヒーローという意味では、実はホラー映画史上初めてではないでしょうか?
ストーリーは簡単に言うと「プレデター」の変形パターンで、特殊部隊の面々がスケルトンマンに襲われるというものですが、その特殊部隊は女性比率が異常に高く、女性陣はみんな髪が長いし銃を撃つ時に目をつぶっていたりするので説得力のかけらもないですが会話のセンスのよさと迫真の演技でカバーします。一歩間違ったらヒマ人が山歩きをしているようにしか見えないところですが、演出が巧みなのでちゃんと特殊部隊が戦闘行動をしているように見えるのはたいした手腕だと思います。というか、むしろそれが当然か?今までひどいものを見すぎたので当たり前のことがありがたく感じるのか?
ケルトンマンの意味不明なまでの暴れっぷりもいいですが特殊部隊の面々による会話の数々もセンスが感じられていいです。「生きたサソリを食った」とか、死際にサケが産卵する川(「なぜだかわからないが、一年に一度大量のサケが集まる川があって、すごい光景なんだ」)の話をして「ここはどこだ?」と言って息絶える兵士とか印象に残るセリフが多いです。
「スケルトンマンが現れると機械機器が停止する」という設定らしいのだがなんか中途半端だとか、多少の穴もありますがこれは久々の良作です。ジャケット詐欺や野原でたわむれる失業者の映像を見せられてげんなりしている皆さんには特におすすめ。これを見てスケルトンマンのカッコよさに酔いしれてください。
爆笑度     ☆☆☆
バイオレンス度 ☆☆☆☆☆
発狂度     ☆☆☆☆
怪奇度     ☆☆☆☆☆
男泣き度    ☆☆☆
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