キング・オブ・ロストワールド

キング・オブ・ロストワールド [DVD]
ふざけるな!いいかげんにしろ。冒頭、旅客機が崖に激突して機体が真っ二つになるほどの大惨事なのに乗客はみんなピンピンしている。その頑丈な乗客連中は「もう半分の機体にパイロットがいるし、通信機もあるからそれを探しに行く」というグループと「ジャングルは危険だから残る」というグループに別れて、物語はもう半分の機体を探しに行った連中を中心に進行する。どうでもいいがこの場所はとりあえず裏山には見えないがジャングルにも見えない。北米大陸の森林地帯に見える。道中「傷が化膿しているからウジで消毒しよう」と言ってそこらへんの石をひっくりかえしたらウジがいてそれで傷口を消毒したりするが、ウジに傷口の死んだ細胞やバクテリアを食わせて消毒するという療法は自分も聞いてはいるが、そこらへんの石をひっくりかえしてそこにいるのはウジではないと思う。ゴミムシとかなんかその類の幼虫だと思う。
巨大蜘蛛とか人食い植物とか巨大サソリとか翼竜とか巨大猿とか、専門学校の卒業制作のようなCGの怪獣はたくさん登場する。なかでも巨大蜘蛛の襲撃シーンは秀逸で、連中がブラブラ歩いていると上から巨大蜘蛛がメンバーの一人をかっさらっていって、二秒後くらいにミスターカーメンのミイラパッケージみたいなのがドサーと落ちてきて「あけてみろ」といって開けてみると「溶けてる!」あの一瞬の間に蜘蛛は人間を糸でミイラパッケージみたいにぐるぐる巻きにして溶かしたのか。というか落とすくらいならなぜ捕らえる。あとジャケットにも大きく載っている巨大猿。ジャケットのCGを作った人間は本編のCGを作った人間よりはるかに腕がいい。あれを期待すると近年まれに見るというか、よく考えたら映画で見るのは初めてなんじゃないかと思うような関節のつぎめがはっきりしたCG造型の巨大猿に驚かされることだろう。
後半は原住民みたいなのが襲撃してきて全員捕われの身になるが、そこからの展開は何がどう間違っているのか文章で説明するのが困難だ。とりあえず、「脱出しよう」とか脱出の相談をしているので脱出するのかと思ったらいつにまにか寝ていて朝になってて原住民に「おい、起きろ」と叩き起こされている。原住民はいけにえを捧げて居住地の近くに翼竜をおびきよせて、「翼竜がいれば巨大猿は来ない」ということで巨大猿から居住地を守っていたらしいのだが、翼竜にいけにえを捧げる儀式の最中に翼竜も来たが猿も来て、原住民の族長は猿に踏みつぶされる。こいつらはなんで今まで生きてこれたんだ?たまたまか?
あとは突然どこからともなく飛来したジェット戦闘機が勝手に墜落したり、メンバーの一人「チャレンジャー」と女原住民の棒術対決があったりするが特にどうでもいい。これはまあひどい映画だが21世紀の今の世の中にこういう設定の映画を作ろうという心意気だけでも評価してやろうというか。ひどいことはひどいがひどさが半端で、半端に映画として成立している分「悪霊のいけにえ」や「悪魔のえじき(ドイツ版)」シリーズや「キングスパイダー」のような伝説にはなり得ないが、ひどさを極めていない分伝説の最悪映画群よりある意味下とも言えるのでその道を極める者には避けては通れない道かもしれない。面倒なので逐一書いてはいないがこれを見て何がどれだけ間違っているか探すのも一つのあれだと思う。
爆笑度     ☆☆☆
バイオレンス度 ☆☆
発狂度     ☆☆☆
怪奇度     ☆☆
男泣き度    ☆
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