死霊の館 2005

wifebeater2005-09-29

これはまたものすごいものに引っかかってしまった・・・第一、「2005」って何だ。何が言いたいんだ。
ストーリーは単純でバカ学生が「肝試しをしよう」といって、二十年前に連続殺人犯が射殺された閉鎖されたお化け屋敷で降霊会をやったら、たまたまそこにいた警備員に殺人犯の霊が乗り移って一人また一人と殺されるというものだが、この映画は全てのセリフや登場人物の行動パターンやあらゆる出来事がまるでゆでたまごの漫画のようにいかれている。
ますこの映画の主人公は、バカ学生にだまされて肝試しに呼び出された担任教師なのだが、この教師は元格闘家でものすごく強い。過去に、コンビニ強盗の現場に居合わせた時に、格闘技の腕を活かして強盗を叩きのめしたのはいいがその時に強盗が放った流れ弾によってたまたまそこにいた女の子が半身不髄になってしまい、その責任を感じて格闘技をやめて教師になったというやけに詳細な設定がある。この教師は普段は温厚な先生だが、戦いとなると格闘家の血が燃え上がって鬼神のようになる。ゾンビ化した教え子の頭を変形DDTのような形で壁にめりこませたり、引きちぎられた教え子の両腕をヌンチャクのように振り回したりして戦う。最終的には霊が乗り移った警備員の足をへし折り、力技で霊を警備員の体内から追い出してしまう。
対する霊もけっこう「なんでだ?」っていうくらい強くて、死人をゾンビ化して操ったり、人形に生命を与えて操ったり、念力で女の子の服を脱がせたり、ワイヤーアクションで壁を走り回ったり、黒豹を発生させたりする。ちなみにその黒豹の出てくる場面の意味のわからなさは特筆ものだが、くだらなすぎて説明するのめんどうなのでできれば自分の目で確かめてほしい。黒豹は予告編やジャケット裏にまで登場している。
だがこの映画の真の問題は、最強教師と最強悪霊の人知を超越した戦いではなく、むしろその他の描写および登場する人々の行動のわけのわからなさにある。まず二十年前に殺人犯が射殺された場所が今でも警察による「立ち入り禁止」のテープが張られているのがわからないし、警察により立ち入り禁止なのに警備員がいるというのもわからない。その場所が悪霊パワーにより、謎の光に包まれているのを見た警官がする行動が、神父を呼ぶ(笑)。いまにも死にそうなジジイの神父を。その神父は警官に「これは何ですか」と聞かれて、「わからん。法王庁に問い合わせてみる」と答える。法王庁。神父が役に立たないので次に警官がしたことは、霊能者を呼ぶ(笑)。それもサイン会の最中にわざわざ呼びにいって、つーかこれ時間設定は何時だ?深夜じゃないのか?サイン会やってるような時間か?ここで警官は霊能者に「一つだけ頼みがある」と言って、サイン会の列に並んでいた自分の女房にだけサインしてもらうよう頼むのだ。くだらなすぎる。その後神父と霊能者は、ストーリーの進展に何も関係ないやりとりを延々と続けて最終的に「二人が力を合わせればなんとかなる」と言って聖書を武器に何かしようとするが何がしたかったのかよくわからない。結局意味があったのかどうかわからない。その場には警察のえらい人(作中「ボス」としか言ってないので警視総監なのか警察署長なのか部長なのかよくわからない。その「ボス」が呼び出されるシーンも相当脱力する)とか、どこの言葉かわからない言葉を喋るレポーターなどが登場するが、誰一人としてストーリーに何の関係があるのかわからない。何の役にも立っていない。
その他意味のわからない場面やセリフは山ほどあるが全部列挙するのは無理。基本的には、「ゾンビ・オブ・ザ・デッド」や「ダイナソー・ファイター」のようなヒマ人がそこらへんで撮ったように見える系の映画だが、これ系の映画としては特撮はけっこう力が入っているし破綻していてグチャグチャとはいえテンポはわりとよくてまあ見れた。
「悪魔のえじき ブルータル・デビル・プロジェクト」とか「新ゾンビ」とか「バーサーカー」とか、ゆでたまご系とか昔の貸本漫画とかの破綻系の笑いが好きな人にはおすすめしてもいいかもしれない。一般的にはまず無理。
爆笑度     ☆☆☆☆☆
バイオレンス度 ☆☆☆☆
発狂度     ☆☆☆☆☆
怪奇度     ☆☆☆☆
男泣き度    ☆
サイドバーにこれ↓かっこよく表示させる方法がわからんわ・・・
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