CZWケージ・オブ・デス7 −失業者大戦争−

もうなんか最近眠くて、DVDを見たりしてるとそれがおもしろいつまらないに関わらず眠くなって寝てしまうので、これなんか長くて見るのが大変だった。一週間くらいかかった。
今回はメイン以外は普通のリングで行われた。メイン以外はいわゆるXディビジョン系の試合が中心。デスマッチ色は薄いが、スーパードラゴンの試合などがあるのでバイオレンス度は低くない。前半の試合はどれも動きが早く、各選手それぞれ独創的な動きを見せてくれるので飽きない。特にハロウィックド、ジグソー、エクスカリバーなどの日本では名も知られていない見た目も微妙なマスクマン連中の動きはすばらしい。おれは日本ではわりと早い時期から彼らの試合を見ているほうだと思うが、最初に見た時は「どこの失業者か大学生にマスク被せてるんだよ?」って感じで試合も外見に劣らず微妙だったわけだが、あの頃に比べると動きもよくなって風格すら感じられるようになった。おれの一押しはハロウィックド。あの頭についたチビラくんみたいな突起物がいい。みちのくでハロウィックドとかエクスカリバーとかシェイン・ストームとかエル・ジェネリコとか呼んでまた「ふく面リーグ戦」を開催したら、東北くんだりまで見に行ってやってもいいと思うのはおれだけだろうか。
あと前半〜中盤で印象に残ったのはアダム・フラッシュ。アダム・フラッシュはサンジェイ・ダットと組んでセクシーエディ、スパイダー・ネイト・ウェブとのタッグ戦だったわけだが、おれはアダム・フラッシュがいいと思ったのはこれが初めてだった。なんかダメな印象しかなくて。いい選手じゃないか。前回だかのケージオブデスだったかの、伝説的な塩試合のイメージがあまりにも強かったと思われる。メサイアと足場に登ったのはいいが二人とも立ち上がれなくて何もしないで降りてきたやつ。というかアダム・フラッシュの場合はメサイアと絡む試合が多かったから彼までダメに見えたのか。
後半はタイトルマッチ中心。クリス・ヒーローとクラウディオ・カスティニョーリのタッグは今世界で最も優秀なタッグチームの一つだと思う。体格・ルックス・技術全てにおいて優れた二人。クリス・ヒーローは年のわりにおなかが出ているのが少し気になるが。いわゆるX系の選手とは一線を画していて、アクロバティックな空中戦や危険な技はあまり見せないが、技術的にアクロバティックというか。今どきネックロックやエルボースマッシュで客を湧かせられるレスラーというのがどれだけいるだろうか?日本でも間違いなく一大旋風を巻き起こすレスラーだと思うがなんでどこも呼ぼうとしないのか納得できない。理解できない。まあ日本に呼ばれたとしても使い方次第ではあるので意味のない扱い方をされるくらいなら来ないほうがましかもしれないが。
ラッカスvsスーパー・ドラゴンのCZW王座戦は、コーナーのところに設置されている足場にラッカスが頭をぶつけたのが最大のハイライトシーン(笑)ラッカスは何度か日本に来ているが、スーパー・ドラゴンの知名度は日本では皆無に近い。アメリカインディー版獣神サンダーライガーのようなポジションだろうか?やたら危険な技を使い、いつも怒っている感じなのはライガーに似ている。全身コスチュームのマスクマンでかっこいいのかかっこ悪いのか微妙なラインだが慣れてくるとかっこよく見えてくるあたりも。試合は予想外に一方的な展開。スーパードラゴンの。最後は後頭部へのダブルフットスタンプ→サイコドライバーという危険極まりない殺人技でスーパードラゴン勝利。ラッカスはダメージが大きく、血相を変えたブラックアウトのメンバーとCZWのスタッフがリングに駆け込んでくる有様。自力で歩いて帰れなかった。スーパードラゴンはあまりにも危険すぎる男だ。ぜひ日本に来て新日ジュニアを全員病院送りにしてほしい。
メインはやけに広い金網の中にガラスや有刺鉄線ネットやその他武器の類を大量に設置した、文章では表現しづらい状況。コーナーポストには大量の画鋲がくっつけてあるという頭の悪さ(笑)最高。試合形式がよくわからなかったが、ニック・ゲージとネクロブッチャーで試合開始。数分後、おなかを揺らしながらザンディグが登場。どうやら時間差形式らしい。というかこの絵面!ニック・ゲージとネクロブッチャーとザンディグ。まるで失業者が明日の日雇い仕事を巡って争っているみたいだ。ジョーカーが登場して少しプロレスらしくなるが、失業者くささに変わりはない。その後ジャスティス・ペイン、トビー・クラインと登場。ジョーカー以外は日本でも(一部には)お馴染みの顔ぶれだ。バトルロイヤルかと思ったが敵味方の図式がはっきりしているので、どうも対抗戦らしい。例によってルールがよくわからないが。ネクロブッチャーとジョーカーとトビークライン、ザンディグとニックゲージとジャスティスペインという軍団編成。その後はガラスが割れ画鋲がささる地獄絵巻。特にネクロブッチャーが有刺鉄線スパイダーネットにはりつけになる光景はあまりにも絵になりすぎて爆笑してしまった。最後はザンディグが足場の上からジョーカーを火炎机の上にリフトアップボムで落として試合終了。この時点でこれがタッグ戦であったことが判明。デューがやけくそのように燃える液体(アルコール?オイル?)をぶちまけたため火勢が半端ではなかった。
大日の洗練された、一種のアートともいえるデスマッチとは明らかに異質な、金網の内部で単なる暴力的な光景が延々と繰り広げられる試合は見る人を選ぶかもしれない。このメンツなので失業者が殺しあっているようにしか見えないし。しかしおもしろい!なんか、おもしろさというものの本質的な何かがある。爽やかですらある。
プロレスと一言に言ってもその様々な方向性はもはや一括りにはできないが、その一つの到達点がケージ・オブ・デスというイベントだと思う。それにしても、CZW所属のCZWの興業にしか出ない人たちは(ザンディグなど)これだけで生活が成り立っているのだろうか?ザンディグは「建設現場での作業中に肩を脱臼した」という話だが、そういうことになっているのだろうか?それはそれで面白いのでいいが(笑)
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