バトル7

バトル7 [DVD]
タイ映画。期待していたよりアクションが少なく、なんかゆるいギャグを連発するダラダラした展開の映画で110分はちょっと長いと思った。つまらなくはないが。というかこっちの期待が大きすぎた。オープニングクレジットの雰囲気が「800発の銃弾」にそっくりだったので俄然期待度は高まったのだが。昭和40年代の東映とかの、まじめに作ってるのかふざけてるのかよくわからないアクション映画に近いと思う。千葉真一石井輝男の「直撃地獄拳」あたりとか。
「バトル7」なので七人いるが登場人物が多くて個々の影が薄くなりがちで、むしろ主人公の七人以外のキャラクターに印象に残るのが多いというか。事実上八番目のメンバーといえる「隊長」はなにげに活躍しているし、主人公一派を殺すために雇われた殺し屋軍団のボスが非常にいいキャラクターだ。ポケットから手を出さずに足で椅子を動かそうとしたら倒してしまって、それでもポケットから手を出さないで足で倒れた椅子を立てようとして苦労しているので「なんで手を使わないんだ?」と聞かれたら「俺がポケットから手を出す時は、誰かが死ぬ時だ。ウハハハ!」とか言って部下も一緒にウハハハとか笑っている。それですごく苦労して足で椅子を立てて座る。部下が立てるわけにはいかないのか?このキャラは本当にバカで結果的にあまり役に立っていないいかしたキャラなので、むしろこいつを主役にして映画を作ってほしいくらいだ。
こんな調子でギャグは多いが原始的でストレートなものが大半なので、ドリフとか昔の香港映画とかが好きな人は楽しめると思う。「バトル7」メンバーの中では普段は全然目立たないが、ものすごいパンチ力を持ち全力で人を殴ると大変なことになる「鉄拳」という男が気に入った。あと「失恋番長」こと「ロマンス」は蝶野正洋と古尾屋雅人の中間(若干、蝶野寄り)的なルックスが気になる。
アクションは終盤30分に集中しているが、「マッハ!」や「七人のマッハ!!!!!!!」ほどのものを期待するとがっかりするかも。ヘリコプターでトラックを吊り下げてその上で戦うとか、やっぱりなんとなく昔の東映ものに近い。
つまらなくはないがものすごい男泣きのアクションかと思って見たら肩透かしを食わされるかも。男泣きボンクラ度自体は低くはないが。昔の日本映画とか昔の香港映画みたいな、そういうものだとわかって見れば満足度は高いと思う。ただやっぱりちょっと長いのでこの内容なら90分台に収めてほしいと思った。
爆笑度     ☆☆☆☆
バイオレンス度 ☆☆☆
発狂度     ☆☆☆☆
怪奇度     ☆☆
男泣き度    ☆☆☆