TNAノーサレンダー「レイヴェンvsアビス」

レイヴェンがチャンピオンだった頃だからけっこう前か。諸事情によりようやく見ました。これを見ると、なぜレイヴェンが短期間でチャンピオンの座から引きずり下ろされることになったのかがよくわかる。試合内容や人気度的に問題があったわけではない。こんなタイトルマッチを続けていたら、TNAのイメージがデスマッチ団体に変わってしまうからだ。
この試合はエクストリームというよりはCZWのウルトラバイオレンススタイルに近い、事実上のデスマッチ試合。ホチキスや画鋲が使用されている。この調子でレイヴェン王座路線を続けていけば、さらにエスカレートして有刺鉄線や蛍光灯や火を使う日もそう遠くなかっただろう。TNAがデスマッチ団体になってもそれはそれでおれなんかはOKだが、団体側やファンからすると「路線の一つとしてはアリだが、それがメインになるのはちょっと困る」という感じなのでは。レイヴェンは当然普通のプロレスもうまいのだが、どちらかというと試合巧者タイプでプロレスとして激しい動きをするタイプではないし、レイヴェンがチャンピオンだと見るほうもそれなりのものを期待してくるので他の人がチャンピオンの場合と比べてハードコア&バイオレンスの度合いが強くなる。対戦相手にも困ってくる。一生アビスとかライノとばかりやっているわけにはいかない。ダブルJとかAJとかクリスチャンとかならまあ、バイオレンス系の試合でもこなしてくれると思うが、やっぱりTNA本来の路線から外れたものになる。
そんなわけでこの大会は、瞬間的にTNAがデスマッチ団体になった記念碑的興業として、人々の記憶に残る(or抹消)歴史的な大会だと思います。しかしレイヴェンってもうけっこういい年なのによくがんばるよなあ。しがさんとかもレイヴェンに負けずにがんばってほしい。レイヴェンがTNAのチャンピオンになってデスマッチで防衛戦をやったんだから、しがさんがGHC王者になってノアのメインで本間とデスマッチでタイトル戦をやるのも不可能ではないはずだ。いや無理か。
メイン以外ではサモアジョーの怪獣人間ぶりが印象に残った。クリストファー・ダニエルズピーティー・ウイリアムスのシングルは、小細工が勝敗の鍵を握るという試合でこの二人にしてはいまいちだったので残念だ。つうか全体にTNAは「トータル・ノンストップ・アクション」の名に恥じないスピードの速い試合が多くて目が離せない。あとあの六角形のリングはやりにくくないんだろうか。タッグの時とか相方がコーナーを離れてしまったら自分のコーナーがわからなくなったりしないんだろうか。おれがプロレスラーだったら絶対にわからなくなると思う。プロレスラーでなくてよかった。
爆笑度     ☆☆☆
バイオレンス度 ☆☆☆☆
発狂度     ☆☆☆☆
怪奇度     ☆☆
男泣き度    ☆☆☆
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